新聞紙面自動割付組版システムの開発 
第3回 ~座標系をどう決めるかで四苦八苦~

各位様

株式会社新聞制作センターの西村です。

開発中の新聞紙面自動割付組版システムは、7月末にα版を前提とした要件定義が完了し、現在、α版の開発が進行中ですが、並行してβ版に向けた要件の打合せを進めております。

新聞AI割付(Newspaper AI Layout・略称:レイアウター)ソフトと新聞自動組版(Newspaper Auto Typesetting・略称:タイプセッター)ソフトのインターフェースの基本となる座標系をどう決めるか、弊社が欲張りすぎているのかもしれませんが、より使いやすいシステムとするためには簡単に譲ることはできません。

◆◆ プロジェクト担当のつぶやき ◆◆

最近、よくこんな言葉を投げかけられます
「どこまで進んだ?」
なので、こう答えます
「新聞AI割付と新聞自動組版の座標決めで四苦八苦してます」
すると決まって尋ねた方はキョトンとします
答えた私もキョトンです

新聞AI割付は渡された素材を元に割付をします
そして割付け用紙というデータを新聞自動組版に渡します
新聞自動組版は渡されたデータを元にInDesignで紙面を組み上げます
この時
見出しはこの大きさでここに、記事はこの大きさでそこに
と組んでいくわけですが
大きさってどのくらい? ここってどこ? そこってどこよ?
になってしまうので共通の座標が必要になるわけです

新聞AI割付は全ての媒体に対応するように
行取り、段取り、字取りの相対値で割付けをします
新聞自動組版は それぞれの媒体ごとの絶対値で組版します
この「相対値」と「絶対値」を繋ぐための“座標決め”
これがなかなか難しい

私たちが何気に使っている割付用紙
の行取り、段取り、字取りのマス目の認識が
コンピューターには無いというのです

たぶん、ひとつひとつの開始点と終了点を
なん段目のなん文字目から横なん行目のところ
と新聞AI割付が新聞自動組版に渡して
新聞自動組版は なん段目はなんミリで なん文字目はなんミリでと
計算して位置を決め配置してゆくことになるのだと思います
気の遠くなる作業を 私たちには見えない所でやっていく
なんとも身につまされる頑張りであります

新聞自動組版で組みあげたデータは
InDesignファイルとして保存しますので
文字直しや、写真の差し替えなどの整理直しが自由にできます
また、校了したInDesignから
記事ごとにプレーンなテキストやHTMLテキストで
書き出す機能も付加しますのでネットとの連動や
テキストでのデータベース作りにも役立つと考えています

あおやま

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