新聞紙面自動割付組版システムの開発
第10回 ~発表会開催のご報告~
各位様
株式会社新聞制作センターの西村です。
去る4月14日(金)に東京中央区の時事通信ホールで開催しました「新聞紙面自動割付組版システム発表会」には、会場参加とオンライン参加を合わせて約200名、ある新聞社からは会議室の大型スクリーンで20名程で視聴したいとの申し出もあり、220名を超える新聞関係者にご参集・ご視聴いただくことが出来ました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
また、予定時間を大幅に超過してしまったために質疑応答に参加して頂けなかった皆様、申し訳ございませんでした。
今回のSSC-LT通信では、発表会の質疑応答で頂いたご質問と発表会直後のアンケートにご記入いただいたご質問にQ&A方式でお答えさせて頂きます。
また、アンケートで当社からのご案内を希望いただきました皆様には、別途、個別にご連絡をさせて頂きますのでよろしくお願いいたします。
◆◆ プロジェクト担当より ◆◆
≪AI関係≫
Q AIはどのプログラミング言語を使って開発されたのか知りたいです。また、そのAIが学習時に参考にした教師データも可能な範囲でお伺いしたいです。
A プログラム言語はPysonです。
ディープラーニング型のAIではなく数理最適化モデルのルールベース型AIなので、学習時ではなくルールベースの目的関数は整理割付の決まり事を関数化しています。
Q AIは学習していってくれるのかが知りたかった。他の利用者の新しい知見等は共有されるのかが知りたかった。
A 「新聞AI割付」で使っているAIはディープラーニング型のAIではなく数理最適化モデルのルールベース型AIなので、顔認証システムのAIのような学習はいたしません。仮に共有されているユーザー様が追っ付け組の頻度が多いとしても、影響は受けないようになっています。
Q 各紙レイアウトの癖や味がそれぞれあるかと思います。その紙面パターンの学習に関してはどのようなロジックなのでしょうか。
A 各新聞が持っている癖や味は、その特徴を再現するための環境設定や組み方ルールのパラメーターがあるので事前に設定いたたければと考えます。パターン学習に関してのロジックですが、「新聞AI割付」で使っているAIはディープラーニング型のAIではなく数理最適化モデルのルールベース型AIなので、パターン学習に関してのロジックはありません。
≪割付組版≫
Q 記事をはみ出させるか、空きを作って全部入れるのかの判断はあらかじめ指示するのか?
A 「新聞AI割付」には指示はできません。AIは出稿された原稿量を指示された見出し段数・行幅等に沿って割り付けますので、原稿量が多ければはみ出しますし、足りなければ空けで割り付けます。
事前に決まった空き量を確保する必要がある場合は、空き領域を指定していただくか、空記事(例:□□□□□□□□□□□)を流して、後から差し替えていただければと思います。
Q 写真や図版の大きさの調整(文字組み込みなど)は自動でできるのか。表など大きさの変えにくいものの場合はどうか。
A 流し指定の場合、写真・図版の大きさは出稿表で指定していただきますが、タタミや追っ付け指定ので記事トメの場合は自動で調整します。
Q 組版途中で行数の変更があった場合、自動組版で組み直せるのか、AI割付に戻るのか?
A 行数変更で割付を変更する必要がある場合は「新聞AI割付」に戻っていただきます。割付はそのままでという場合は、自動組版が終了したドキュメントはInDesignファイルで保存されますので、InDesign上で変更していただけれと思います。
Q 降版間際での修正で1分は長いと思います。InDesignで割り付けや記事の修正が直接できるように検討した方がいいのではないでしょうか。
A 「新聞自動組版」はInDesignに自動で組み付けるので、記事の修整はInDesignで行えます。
Q 表組はできますか。ほかの方の質問と回答を一通り拝見したいです。
A 表組はサポートしておりません。InDesign及びイラストレーターなどで作表の上、自動組版に取り込んでいただきます。
Q タブロイド版には対応していますか?
A タブロイド版にも対応しています。環境設定で、文字組、行数、段数を設定してください。
≪災害対策≫
Q ネット環境が大前提になると思いますが、台風などで通信ができなくなった場合の対策はありますか?
A 「新聞AI割付」はAWSの日本国内マルチリージョンのクラウドサーバーを使用していますのでバックアップはAWSに準じます。AWSまでの通信に関しては、複数のキャリアと契約していただくなど、ユーザー様の方での対応をお願いいたします。
≪その他≫
Q Webメディア(自社)との連携はどうなるのか知りたかった。
A Webメディアとの連携は最低限のヘッダー&フッター マークアップまでは自動書き出しで対応するようにしております。
Q 現在の料金は、Adobeライセンス込みですか?また、トライヤルライセンスみたいなものがありますか?またその利用期限はありますか?
A Adobeのライセンスは含まれていません。「新聞自動組版」は30日間の試用が可能なものを準備中です。
Q AI割付からInDesignまでのファイルの受け渡しを自動化してほしい。記事を管理するCMSを作ってほしい。
A 受け渡しの自動化は、「新聞自動組版」のクラウド化で実現できると考えております。記事を管理するCMSは現在予定はありませんが、ご希望があれば検討します。
Q 今、使っている組版システムと平行使用はできますか。途中から人間が引き継ぐ事はできますか。
A 現在使用されている組版システムを教えていたたければ、具体的な回答ができると考えます。
Q 校閲支援、画像加工支援のツールがあれば、紹介して欲しい。
A 弊社では校閲支援は自前のスクリプト、画像加工は自前のフォトショップアクションを使用ています。使い勝手が良いものがあればメルマガにて共有いたします。